2012年7月19日木曜日

苦役列車 映画感想

信州旅行の帰りに、新幹線まで時間があり、かといって暑くて観光する元気もなく、たまたま通りかかった映画館で「苦役列車」を鑑賞。その名も「千石劇場」

クーラのかかっていないガラガラの祝日の夕方、不快指数99%の館内で、この暑苦しい映画を見たので、結構リアルに鑑賞できた気がする。

感想(ネタバレ)

これは西村賢太が酷評した通り、ちょっと残念だったかな。
森山未來はよかった。高良健吾も悪くはなかった。田口トモロヲ、マキタスポーツも。

でも、個人的には、前田敦子の中途半端さがなんとも気になった。
文学好きで古本屋でバイトして、遠距離だけど貫多とも友達になって、ボウリングに行って、服のまま海に入る。このキャラが僕には掴めないのだ。日下部の彼女が、中沢新一や四方田犬彦にかぶれた、憎むべき世田谷・下北好きインテリとして描かれているのと対照的なのかといえば、そうでもない。19歳の貫多が恋に落ちる対象としての考察が決定的に足りていない、と思った。

「友達なんていらない、ヤラセロ」と迫る貫多に頭突きをくらわせるシーンは良かったが、やっぱりキレいすぎるんだよなあ。AKBのセンターは。
 どう見ても、セクシー・エロ系を配するべきだったと思うなあ。個人的には夏目三久にやってもらいたかったわあ。

このキャスティングは、期待7割、不安3割だったのだが、どうも失敗に終わったと感じた。AKBを卒業した前田敦子の転機となる作品が、(おそらく興行的にも)コケた感じがして今後が心配になります。

 この物語の主題は、「どっこい、しぶとく生きとるわい」だと思うわけで。
 最後のシーンで出てくる鴬谷の「信濃路」は、西村賢太の行きつけの店らしく、有名になった今も通っているそう。「そこで撮影を行ったのも腹が立つ」とブログに書いていたなあ。
 印象に残ったシーン:「動物ごっこ」 これは最高。


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