2012年11月12日月曜日

日曜ゴールデン何やってるんだテレビ

 漫才師、お笑い芸人の「超大物」が出なくなり、百花繚乱、とにかく数で勝負の時代となって久しい。テレビで届けるお笑いは「お笑い芸人に面白いことをさせる」チャレンジ系、「お笑い芸人のこんな一面を見せる」文化系(アメトーク、世界は言葉で出来ているなど)、たくさんのネタを見せるてんこもり系(レッドカーペットなど)、など、とにかく企画の斬新さとボリュームがたよりだった。

 たけしと石橋がMCを務める「日曜ゴールデン何やってんだテレビ」を初めて見た。
ネットでは、「初回視聴率8%」と早くも企画倒れをネタにした記事を見つけて、失敗させたい感ありありなんだけど、これが面白い。

 たけしとTBSというと、安住と組んだ情報7daysニュースキャスターがあるので、なんか空気感は似ている。しかし、3組のお笑い芸人コンビが、俳優のゲストを迎えて新作コントを作るという企画が秀逸である。
 今日は、ザブングル、サンドウィッチマン、バイきんぐの3組。そして俳優ゲストに大杉漣! 取調室のコントに大杉漣を入れるという枠のみ決まっていて、あとは自由。
 サンドウィッチマンの、「警部の取り調べの前説」として大杉漣を登場させ、お笑いを目指していたが突っ込みどころも姿勢も間違っていて、ユーキャンで資格とって、「取り調べにも笑いを」ということで採用されたというシチュエーションも秀逸で、その漣さんに対して伊達がバシバシツッコミを入れていくうちに、漣さんがどんどんアドリブを連発して、最後には富澤も素で大爆笑する件は、たけしをして「博品館劇場で1ヶ月興行できる」といわせるほどの素晴らしいコントだった。

 笑いはすっかり多様化し、江戸浅草の落語・漫才と吉本関西のボケ・ツッコミに留まらず、常に新しいものを取り入れ、増殖している。しかし、コントを作り、演じる時に、「演じる」ことを生業としている「俳優」を入れることで、これほどコント自体が一人歩きしていく、という現実がとても新鮮であった。

 お笑い芸人が役者をやったり、映画監督をやったりすることが当たり前になってきた昨今、こうした笑いに対するセンスや嗅覚を活かして、よりクリエイティブなものを作っていくということ、そしてそれを大衆のメディアで行うことは、閉塞感漂う今のお笑いの在り方に一石を投じるものではないかと思うのだ。

 ついに、映画人北野武+芸人ビートたけしが、ドッキングして本気のお笑いを作り始めたと思った。でも、石橋の立ち位置は、微妙すぎるのだが・・・なぜ、ダンカンじゃダメなんだろうか??


0 件のコメント:

コメントを投稿